バスバースのお話
バスバースのお話
配車場所を自由に決められる貸切バス
貸切バスはその名の通り貸し切りなので、基本的に利用者が希望するコースやスケジュールに合わせてバスは動いてくれます。
さらに行き帰りの乗り降りする場所も自分たちで好きに決めることが可能なのです。
これは電車や飛行機、乗合バスでは考えられないことですよね。公共の交通機関の場合、利用するためにまずは駅や空港まで移動しないといけません。
駅や空港が自宅からほど近くにある、という人はいいかもしれませんが目的地まで続く路線に乗るためには普段利用しない駅まで行かないといけないとか、団体行動の場合は自分が良くてもグループの大半にとっては駅・空港までの移動が大きな負担になるケースもあります。
そう、団体での移動の場合はみんなの都合も考えないといけないのです。どこからでも乗り降りできるだけならタクシーを手配しても同じことかもしれません。
しかしタクシーでは乗れる人数は3〜4名程度です。大きな荷物がある場合は難しいでしょう。ある程度人数のいる団体の場合それぞれの居住地に合わせてタクシーを何台も配車するのは非効率的ですね。
貸切バスならそれぞれが都合の良い場所を指定して、経由しながら全員を乗降させることも簡単ですし、手慣れた幹事さんは参加者が満足できるようピックアップのルート作成にも余念がありません。
このように貸切バスの利点の一つとして大きなウエイトを占めるのが、乗り降りする場所を自由に決められるということに異論はないでしょう。
そんな貸切バスですが、大都市のいくつかでは乗降場所が定められている場合があって、それ以外の場所で勝手に乗降をしてはいけないというルールが存在します。
バスバースって?
皆さんは「バスバース」という言葉を聞いたことがおありでしょうか?
駅前に設けられた貸切バスが乗降のために駐停車するスペースのことを言います。
バースとは、元々船が停泊する場所のことを言います。転じて車が駐車する場所をバースと呼ぶようになったのです。
同様にタクシーバースや一般車乗降用バースも存在します。
今回はこのバスバースの中で、注意が必要な駅をピックアップしてご紹介したいと思います。
バスバースリスト
この四つの駅から貸切バスを利用する場合はそれぞれバスバースの事前予約が必要となります。
横浜駅(横浜駅西口)
午前6時30分から9時30分の間、横浜駅付近での乗降は駅西口付近に配置されたバス乗降場を利用しなくてはなりません。
利用時間は配車時間から15分の間に限られます。費用は貸切バス1台あたり5500円。
注意事項は以下のとおり
- 事前に予約・入金をしなくてはならない
- 予約の受付は3ヵ月後の末日利用分まで
- 利用日の前日から起算して8日前までに予約をしなくてはならない。
- 予約受付はインターネットのみ、電話予約は不可
- 午前6時30分から9時30分の間
横浜駅は日本屈指のバスバース料金(5500円)となり、利用可能な時間も15分間だけとなります。
駅付近の広範囲がバスバースを利用せずに乗降のための駐停車ができない地域になっているので新横浜駅など違う場所を指定したほうが良いかもしれません。
名古屋駅(太閤通口)
午前6時40分から12時10分までの間、名古屋駅前からの貸切バス乗車は太閤駅西口付近に設置されたバスバースを利用しなくてはなりません。
利用時間は配車時間から10分の間に限られます。費用は貸切バス1台あたり1000円。
注意事項は以下のとおり
- 事前に予約・入金をしなくてはならない
- 予約の受付は翌月の末日利用分まで
- 利用日の前日から起算して8日前までに予約をしなくてはならない。
- 予約受付はインターネットのみ、電話予約は不可
愛知県で貸切バスを利用する場合、中部国際空港(セントレア)とこの名古屋駅前から出発することが非常に多いので幹事さんは気をつけておかないといけないエリアです。
広島駅(新幹線口)
広島駅前からの貸切バス乗車は、午前6時から15時までの間は広島駅新幹線口出てすぐのバスバースを利用しなくてはなりません。
利用時間は原則配車から20分間ですが、他のバスの予約状況によって10分間しか空いていない場合は10分間の予約も可能です。
費用は貸切バス1台あたり、20分1000円、10分500円。
注意事項は以下のとおり
- 事前に予約をしなくてはならない
- 予約の受付は利用日の30日前から前日まで
- 料金の支払いは原則現地で現金精算
- 予約受付は利用の8日前まではインターネットとFAX、7日前から前日まではインターネットと電話、当日予約は電話のみ
なお、降車のみの利用は無料で、予約をする必要もありません。しかし、公式サイトから「降車利用証」を印刷して当日バスの正面に掲示しなくてはいけません。
岡山駅(西口乗降場前)
岡山駅前で貸切バスの乗降を行う際は駅西口付近にあるバスバースを利用しなくてなりません。
利用時間は配車から20分間まで。費用は貸切バス1台あたり1000円です。
注意事項は以下のとおり
- 事前に予約をしなくてはならない
- 予約の受付は利用日の1ヵ月前から、原則5営業日前まで
- 料金の支払いは利用日の5営業日前まで
- 予約申し込みは「利用申込書」をFAXで送付
最後に
貸切バスは便利なサービスです。しかし貸切とはいえ公道を運行する以上ルールは守らなければなりません。
皆さんが貸切バスを利用するエリアによっては別途費用がかかったり、事前に利用するための手続きをしなくてはいけない場合もあります。
今回の記事では、比較的利用されることが多いバスバースで事前の予約や入金が必要な、特に注意しておくべきものをご紹介しました。
例えば横浜駅のバスバースなどは他に類を見ないレベルで高額なバスバースですが、数年前までは横浜駅付近にも貸切バスを無料で配車できる場所がありました。
しかし観光目的で貸切バスを利用する機会が増え、中にはマナーの悪いバスや利用客によって渋滞や事故の原因となったり周辺住民から不満の声が上がったために専用バスレーンの利用が義務付けられてしまったという経緯があります。
以前は駐停車できた場所が規制されてしまったり、貸切バスを取り巻く状況は年々変わっていっています。
人気があり多くの人が集まる観光スポットでは近隣住民への配慮などで細かな制限が課されたり、マナー違反に対して罰則規定が設けられたりもしています。
貸切バスを快適に、気持ちよく利用するために、利用する一人一人がルールとマナーを守って旅行や観光を楽しむことが非常に大切ですね。